剣道が好きです。稽古も好きですが、単純に剣道具も好きです。
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消え行く職人
category: ひとりごと | author: radical
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    「ひとりごと」タグ3連投です。

     

    ※また長文です!

     

     

     

    剣道具好きなら誰しもが聞いたことのある銘や號、職人さんの名前というのは数多くあります。

     

    機械工業製品にはない、素人には想像もつかない感性と技術のもとに仕上げられた剣道具は、

    実用性はさることながらもはや芸術品としての領域に十二分に踏み込んでいる素晴らしい「工芸品・美術品」として完成されています。

     

    その中でもとりわけここ数年あたりで剣道具業界に激震を起こしたことといえば、

    泉皓の銘で名を馳せた胸師佐々木さんの訃報であったと思います。

    泉皓胸の出来栄え如何について所感を述べるのはいまさらでありますのでここでは控えますが、

    とっておきの胴台には泉皓を、と考える方は数多くいらっしゃることと思います。

     

    今日の投稿では、タイトルにある通りそういった職人さんたちが

    剣道具業界からひっそりと、でも確実に姿を消しつつあるということを書きます。

     

    なぜこのタイミングか。

     

    それは、昨日ある職人さんが急逝されたことに起因します。

     

    その方は鮫革を取り扱う技術に長け、素晴らしい完成度の鮫胴を仕立ててくれる職人さんでした。

    鮫胴は

    ・原皮のそもそもとしての品質(大きさ、粒立ち等

    ・革を貼り付ける際の裏の処理

    をはじめとしたさまざまな要素が絡んでくるものですが、

    これらの工程は私には知りえない技術の結晶で、仕上がったものを手に取って実感して総毛立つほどの衝撃を受けたのを記憶しています。

     

    一般的に流通している鮫胴は処理の度合いによってあからさまに重さが変わります。

    私の知るその職人さんは、この原皮の処理をはじめとした鮫の取り扱いに抜群の能力を持ち、

    およそ私の知りうる限りこの職人さんにしか作れない鮫胴というものがありました。

    私は鮫胴を複数台所有しておりますが、この職人さんに仕立ててもらった鮫は別次元といっていい仕上がりです。

    他の鮫が悪いというわけではなく、その1つが良すぎるのです。

     

    ここ数年で泉皓胸が消えただけでなく、その他にもどこの職人さんが急逝された、どこの職人さんが仕事をやめたor体調を崩した

    などの話題はそこかしこで聞くものとなりました。

     

    剣道具だけでなく、あの胴着がもう作れない、あの竹刀がもう作れない、などそういった知らせはある日突然舞い込みます。

    そのたびに「欲しかったのに」「作ろうと思ったのに」「どこか在庫として残っていないのか」と騒ぎが起こります。

     

    それでは、遅いのです。

     

    人の成し得る技術の結晶だからこそ、その人がいなくなればおしまいなのです。

    同じ型があったとしても、その型をもとに別の人が仕立てたら同じものはできません。

    ちょっとした力加減、ちょっとした心持ちの違いというのが浮き上がってきます。

     

    これが欲しい!と思い立ったなら

    なんでそれが欲しいか、本当に欲しいか、それでないとだめな理由はあるか、それ以外で妥協はできないものか

    等、自分の内心に問いを重ね、吟味し、それでもなお

    やっぱりこれが欲しい!!

    と結論がついたものならとにもかくにもまずは注文を入れるべきなのです。

     

    お金は生きていれば自分でなんとかできます。

    が、人の命、ましてや他人の命は自分でなんとかできるものではありません。

     

    少し対象がずれますが、まさにそういうことだぞということわざがあります。

    「親孝行、したいときには親はなし」(したい時分、など言い回しの若干の差異はあります

    同じような意味合いで石に布団は着せられず、といった言い回しもあります。

     

    【なにかしたいと思った時にはもう遅い】という使いまわしの語句ですが、現代の剣道具業界はまさにこの瀬戸際にあると思っています。

     

    欲しいと思ったらすぐ行動に移さないと、もう間に合わない瀬戸際なのです。

     

    もしも今、このブログを読んでいる方で

    「あれを買おうと思ってるんだけど、とりあえず年末までお金貯めてからにしようかな」とか

    「あれ欲しいけど、とりあえずは次の段審査受かってからにしとこうかな」とか

    「作りたいんだけど、まだいいかな」とか

    そんなざっくりとした感じで注文するのを躊躇っている方がいらっしゃるようであれば、

    私がかつて知人から言われて目からうろこが落ちた言葉を記載しておこうと思います。

     

     

     

    買った後悔は3日、買わなかった後悔は一生

     

     

     

    この一言で私は吹っ切れました。

    人生、貪欲になるべきであると。

     

    私はこの言葉を胸にお店巡り、よい剣道具を求める行脚を続けます。

     

    ちなみに、この言葉をくれた知人は私よりも行動力に優れ、探求心に富んだ見習うべき存在として私の中で大きな存在となっています。

    これからも勉強あるのみです。

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      相変わらずの着眼点と慧眼、文章力。どれをとっても流石としか言いようがありません。お陰でこの記事を読んだ僕はずっと欲しかった黒虫喰い塗り胴を買う羽目になりました。金欠ですが後悔はありません。(強がりです。)
      本題に戻りまして、職人が消える要因は時間だけではなくユーザーも影響を与えると言うことですが、その中でも特に害悪なのはブログや掲示板などでさも何もかもを知っているかのような顔をしてものの良し悪しを語る批評家さんです。
      個人間での情報共有ならまだしも、形に残るもので何かを言うときは必ず、写真や根拠のあるもので話をしなければならないのにそれをすっ飛ばしてやれ、この商品は粗悪だ、これは他のブログで評価してるほどのものではないと言いたい放題。
      それを見た人はその程度のものだと思い込み客が減る。それでいい職人さんだったり、良いものがどんどんどんどん居場所がなくなり、いずれ消える。
      そう言ったき危険性を考えてコメントしてほしいものだと思います。
      以前、日記もどきさんのブログを見て円印の小手を買った方が随分いい加減な記事をあげ、挙げ句の果てには人の評価はあてにならんとまで言ってるのを読みました。
      幸い、コメント欄で指摘してくださった方がいらっしゃったようで訂正文は載せていたが記事はそのままの模様。
      表現の自由は許されても表現することの責任も時間して残していただきたい。
      日記もどきのように識者がきちんとわかった状態で物のコメントをするブログは今後の防具界にとっても宝です。今後も楽しみにしております。
      by 名無し (2019/05/10 8:14 PM)
      名無し さん

      コメントありがとうございます。
      また、このような自己満足そのもののブログを評価いただくのは面映ゆくもありますが、同時にとても嬉しく思います。
      ”自分の感想をただ書くだけだけど、どこかの誰かの参考になれたらいいな”というスタイルであるため、楽しみだと言っていただけるのは光栄そのものです。ありがとうございます。

      そして胴のご購入、おめでとうございます!
      金欠になるかどうかで思い悩んだ末の思い切り、踏ん切りは
      「なんだかんだで、これ買ってよかったなぁ」と昇華されますのでどうかご安心を(笑
      ぜひめいっぱい大事に、愛してあげてください!

      さて、掲示板やブログにおいて個人的感想を述べあうのは某い〇に会の掲示板然り、某巨大掲示板然り、様々なところでなされております。
      表現や発信の自由は誰しもが持つ権利であり、やめろということはできません。
      ただ、名無しさんの仰るとおり、何かしらの根拠に基づく物言いでなければ説得力うんぬんに加え、
      下手をすると誰かに対する謂れのない誹謗中傷に発展してしまう事態にもなりえます。

      世間に流通するいろんなものについて、クチコミサイトが設立され、意見交換が活発になされています。
      私はそういった場所で自分によく言い聞かせていることとして、
      【あくまで好みは個人々々、ひとそれぞれ、感じ方は千差万別】
      【批判は大いにやるべき、しかしそこに感情が先走ってはならない】
      【個人の思い入れは存分にあってよいが、その意見についての信憑性は思い入れの強さに反比例する】
      【聞く耳を持つ、言う口を持つ】
      といったことに気を付けております。

      拙ブログも私の勝手な意見、思想がもろに織り込まれた文章であります。
      剣道具についてのクチコミサイトなるものがほぼ見当たらない現在、こうした個人ブログの意見がさも大衆の意見のように扱われる危険性ももちろんあります。

      ここであまり長々と書いても読みにくくなってしまうばかりでありますので、ネット上で物申すことについての私の見解はまた別の投稿で取り扱いたいと思います。(忘れないよう、近いうちに書きます

      ぜひまたご意見いただけますようお願い申し上げます。
      長文、失礼いたしました。
      by 管理人 (2019/05/11 1:39 PM)






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